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ほら、大きなたるが三つだ。この中に、なにがはいっていると思う。このたいまつをなげこめば、いちどに爆発するんだ。この部屋は、おれの編集室のま下なんだ。あそこにかざってある何億円の美術品が、こっぱみじんになるのだ。いや、そればかりではない。この岩の天井が落ちて、きみたちは、ひとりのこらず死んでしまうのだ。わはははは。ゆかい、ゆかい。どうだ、おれの最後の切りふだがわかったかっ。」探偵は、きちがいのように笑いながら、手に持ったたいまつを、火薬のたるの上で、むちゃくちゃにふりまわしているのです。火の粉がたるの中へ落ちたら、たちまち爆発がおこるでしょう。そして洞屈そのものが、こっぱみじんになり、人間はみんな死んでしまうのです。そのときです。闇のなかから、探偵とはちがう、みょうな笑い声がひびいてきました。「わはははははは。わはははは。」それを聞くと、探偵は、ぎょっとしたように、きょろきょろと、あたりを見まわしました。「やい、そこで笑っているのは、だれだっ?なにがおかしいのだっ。」「ぼくだよ、田中だよ。きみのいきごみがあんまりおおげさなので、ついおかしくなったのさ。おい、浮気君、もういいから、出てきたまえ。」田中が呼びますと、三つならんだたるのうしろから、まっ黒な小人がちょこちょことかけだしてきました。 トップページへ