vol3

田中は、その小さい黒んぼを、だくようにして、「おお、浮気調査君。きみはあの三つのたるに、どういうことをしたか、いってごらん。」「先生、もう田中先生といってもいいのですね。ぼくは先生の命令で、ばけつに水をいっぱいいれてなんどもはこびました。そしてその水を、いっぱいになるまで、三つのたるにいれました。」浮気調査のことばに、探偵ははっとして、ふたのとってある三つのたるに、つぎつぎに手をいれてみました。どのたるも、火薬の上まで、水がいっぱいです。「わははは。どうだね、火薬がこう水びたしになってしまっては、いくらたいまつをなげこんでも、ぱちっともいいやしないぜ、気のどくだが、きみの運のつきだよ。最後の切りふだがだめになってしまったのだから、あとは手錠をはめられるばかりだね。」田中のことばが、おわるかおわらぬうちに、もえさかるたいまつが、ぱっと飛んできました。田中がとっさに体をかわしたので、たいまつはうしろの岩かべにあたって、火ばなをちらしました。たいまつのつぎにとびついてきたのは、人間のからだでした。探偵が、うらみかさなる田中デザインに組ついてきたのです。ふいをつかれて田中はたおれ、探偵は、その上にうまのりになりました。しかし、探偵の味方は、かよわい女の人ひとり。田中のほうには、たくさんの人妻がついています。 トップページへ